機能

意味解析

文-AYA-は意味解析機能として、以下の機能を有しています。

  • 単語の意味の判定
  • 語と語の間の役割的・意味的関係(深層格)の付与
  • 照応解析
  • ヴォイス、テンス、アスペクト、モダリティの解析
  • 文間の関係性の付与

詳細

  1. 形態素解析、構文解析
    形態素解析には、JUMAN*1を使用しています。また、構文解析には、KNP*2を使用しています。
    *1日本語形態素解析システム JUMAN
    *2日本語構文・格・照応解析システム KNP
  2. 語義の曖昧性解消
    複数の意味を持つ単語について、どの意味で使われているのかを判定します。文-AYA-では、EDR電子化辞書*3を使用し、各単語に語義番号を付与することで、単語の意味を示します。
    *3EDR電子化辞書
  3. 語と語の間の役割的・意味的関係(深層格)の付与
    agent 有意志動作を引き起こす主体
    o-agent *1無意志動作を引き起こす主体
    a-object 属性をもつ主体
    object *7動作・変化の影響を受ける対象
    co-agent *1動作や関係の相手先や共同主体
    implement 有意志動作における道具・手段
    material 材料または構成要素
    source 事象の主体または対象の最初の位置
    goal 事象の主体または対象の最後の位置や状態
    beneficiary *5利益・不利益の移動先[受益[者]と被害[者]の両方を含む]
    place 事象の成立する場所
    location *6動作の対象となる場所
    scene 事象の成立する場面
    basis 比較の基準.。例: いつもより早く
    manner 動作・変化のやり方
    time 事象の起こる時間
    time-from 事象の始まる時間
    time-to 事象の終わる時間
    duration事象の継続する期間
    from-to *3範囲
    and 概念間の連結関係
    or 概念間の選択関係
    condition事象・事実の条件関係。条件・譲歩を表す
    cause *4事象の原因・理由。 / 原因(事態間の因果関係)を表す。理由(自分の判断の理由・根拠を相手に示す)を表す。
    purpose 目的
    unit単位
    number
    quantity物・動作・変化の量。個数として数えられるもの。後置助数詞(JN6)が多い。
    degree動作・変化の程度。個数として数えられないもの
    reverse *1逆接を表す
    cooccurrence事象・事実の同時関係
    sequence 事象・事実の時間的前後関係
    modifier 修飾関係
    possessor *3所有関係
    element-of *2集合ー要素関係
    part-of *2内在属性と関係を示す
    main *1文の主述語を指定する。並列句がある場合は、複数の主述語をeosからこの格で指定する
    *1 EDRに存在しないSAGE独自の深層格
    *2 EDRに存在するが、事例レコードが非常に少ない深層格。Sageではほとんどmodifierになる。
    *3 EDRの仮関係詞であり、SAGEで使用されることは少ない。
    *4 2007年度までsageで導入していたreasonを、causeに併合した。
    *5 EDRに存在するが、事例レコードが非常に少ない深層格。Sageではほとんどgoalになる。
    *6 EDRに存在するが、事例レコードが非常に少ない深層格。Sageではほとんどplaceになる。
    *7 EDRでは主体となる場合もあったが、Sageでは対象のみに限定した。
  4. 照応解析
    照応関係にある表現群(ゼロ代名詞を含む)を同定します。
  5. ヴォイス、テンス、アスペクト、モダリティの解析
    ヴォイス、テンス、アスペクト、モダリティの解析をします。この解析で付与されるタグの詳しい説明は、解説資料をご覧ください。
  6. 文間の関係性の付与
    ある文がどの文につながるか、そしてどのような関係でつながるかを判定します。この文間の意味的関係を文間深層格と呼び、文-AYA-では、21種の文間深層格を設定しています。詳しい解説は、解説資料をご覧ください。

解説資料

さらに詳しい説明は、下の解説資料をご覧ください。

Aya解説